No.64 真冬のメジロの暮らしぶり

写真1 メジロの水浴び
写真1 メジロの水浴び

 少し長めの散歩で訪れる、大きな公園には水場があって、冬でも、いろんな鳥がやってきます。

 メジロの群れがやってきて水浴びをはじめました。うわ、寒そう!!

 鳥は羽に着いた汚れや寄生虫を取り除くため、冬でも水浴び(種類によっては砂浴び)をします。

 双眼鏡でのぞいてみると、白いアイリングがアクセントになって、いろんな表情で楽しませてくれます。 

写真2 ツバキの蜜を吸いにやってきたメジロ
写真2 ツバキの蜜を吸いにやってきたメジロ

 梅のつぼみが色づきはじめる頃、公園だけでなく、街中のちょっとした植込みのツバキにも、つがい(*1)らしいメジロを時々見かけます。

 真冬は花が少なく虫も姿を隠し、メジロにとってツバキの蜜は貴重な食べ物。ツバキにとっても、花粉を運んでくれるメジロは大切なパートナー。

(写真ではメジロのくちばしの周りに黄色い花粉がしっかりとついてます。)

 ツバキ(*2)の花は、花びらが下でくっつき、おしべも筒のようになって、鳥(*3)が蜜を吸っても傷まないよう丈夫な造りになってます。でも、鳥が花びらをがっしりとつかんだ爪跡が黒く残ってますね(写真2右下)。 

写真3 穴が開いたクチナシの実
写真3 穴が開いたクチナシの実

 こちらもメジロのしわざでしょうか?

 真冬の公園で、オレンジ色に熟したクチナシの実を見かけました。熟しても口が開かないので”クチナシ”と言われるのですが、穴が開いて空が見える実もちらほら、どうやら鳥( *3)が実をついばんだ跡のようです。

 足元を見てみるとオレンジ色の小さな種が落ちてます(写真3左下)。鳥が実を食べこぼしたり、糞と一緒に出したりして、種が遠くへ運ばれます。

 クチナシの実を見直してみると、鳥が葉っぱや茎を足場にして、ついばみやすいような所に、しゅっと伸びた実をつけているようにも見えます。 

写真4 梅林のメジロ
写真4 梅林のメジロ

 もうひと月もすれば、梅がほころび、メジロが梅の蜜を吸いにやってきて、公園も一気に華やぎますが、寒い冬の間も、花や実にメジロがやってきて、いきものたちの営みが行われてます。

 近くの公園やちょっとした植込みを散歩しながら、いきものたちを観察してみてはいかがでしょうか。

(ます 2021/1/23) 

【補足解説】

*1 メジロのつがい と 目白押し (上の補足写真1 参照)

 メジロは繁殖期(4~7月頃)には、つがいで行動することが確認されています。冬に、街中の植込みに2羽で訪れる姿を見ることが多いですが、つがいかどうかまでは確認できていません。

 写真補足1は繁殖の時期に見た様子で、2羽が仲良さそうに互いに羽繕いをしてました。このように、互いに押し付けあうようにピタっと並んでいる姿が、「めじろおし(目白押し)」の語源らしいです。

 

 *2 ツバキとサザンカ (上の補足写真2aと2b 参照)

 公園や植込みでは、ツバキと同じ仲間でよく似たサザンカも多く見かけられます。メジロはツバキにもサザンカにも訪れ、サザンカにもメジロの足跡らしきものが見かけられます(写真補足2参照)

 両者を交配した園芸品種も多く、識別は難しいですが、一般的に両者の違いは以下のようです。

・花が散る時、花びらが一体で散る(ツバキ)、花びらが1枚1枚落ちる(サザンカ)

・おしべが筒のようにくっついている(ツバキ)、おしべは根元ではくっついているが筒のようにつながっていない(サザンカ)

 大阪府民の森のような山地ではツバキ(ヤブツバキ)が多くみられます。

ヤブツバキは高さが10mを越える高木になり、街中の植栽ではあまりみられないようです。

 

 *3 真冬に街中で見られる鳥 (上の補足写真3aと3b 参照)

 真冬に、公園や街中の植え込みを訪れて、花の蜜を吸ったり、実を食べる鳥としては、メジロ(全長12cm程度)の他に、より大型のヒヨドリ(全長28cm程度)やツグミ(全長24cm程度)がいます(写真補足3参照)。

 クチナシの実に大きな穴を開けたのはヒヨドリかもしれませんね。大きなヒヨドリはツバキの葉っぱにつかまれるのかな? 

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