写真1 センボンヤリ(春花) 写真2 センボンヤリ(春花の花茎)
センボンヤリは、春に日当たりのよい山道沿いの崖状の所で見かけます。
キク科の植物で花は余り目立ちませんが、写真1のようなかわいい白い小花を咲かせます。
花が終わると花茎が槍状に伸び、写真2のように群生した様子はまるで「千本の槍」のようだと言うのでセンボンヤリの名の由来になっています。
センボンヤリの花茎は、成熟すると最後には穂先がコウヤボウキのような綿毛になって開きます。そして綿毛の根元には種子が付いていて風に乗って飛んでいきます。(写真3参照)
さてこのセンボンヤリですが、春には写真1のような花を咲かせますが、秋にも花をつけます。ただし春のようなかわいい花ではなく写真4のような槍状の閉じたままの花です。(これを閉鎖花と言います)
閉鎖花では花は開かず、春花と同じように最後には綿毛状になります。
センボンヤリはどうして春(開放花)と秋(閉鎖花)に二度も花を咲かせるのでしょうか? 二回も花をつけるのはエネルギーの無駄使いの様に思えますが、
センボンヤリの生存戦略は、春は昆虫によって花粉を運んでもらい自分とは形質の異なった多様性に富んだ種子を作ろうとします。
しかし必ず昆虫に受粉してもらえるとは限りません。そこで秋に閉鎖花を
咲かせて自家受粉で確実に種子を作り子孫を残そうとしているのです。
(2020/3/12た)
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