先日、くろんど園地の湿地帯を観察していたら、ミズバショウの大きな葉の間に美しい装飾(隠れ帯)が施されたクモの巣を見つけました。小さなコガネグモ(コガタコガネグモ)のようです(写真1)。X字状の隠れ帯の方向に合わせて、足を2本ずつ揃えて巣の真ん中で獲物を待ち構えています。湿地帯のハエやアブ、トンボ、ホタルなどを狙っているのでしょうか。
コガネグモの仲間は、このような隠れ帯で装飾した巣を作ります。園地の草むらにいたナガコガネグモの幼体は織物のようにジグザグ状(写真2:左上)の装飾を作ってました。また、ウズグモの仲間は渦巻き型の隠れ帯(写真3:右上)を作ります。ただ、コガネグモの仲間は必ず隠れ帯を作るわけではなく、淀川の河川敷にいた大きなコガネグモ(胴体が2cm位)は右下側だけにX字状の装飾(写真4:左下)を作ってましたし、まったく装飾していない巣も多くありました。途中で気が変わったのでしょうか、ナスカの地上絵のような形(写真5:右下)もありました(ヨツデゴミグモの幼体と思われます)。クモの種類だけではなく、個体や環境によって隠れ帯はすいぶんと異なるようです。
では、この隠れ帯はどのような機能があるのでしょうか?実はまだはっきりとした結論が出ていません。有力な説は、”餌の昆虫をおびきよせる”と、”天敵の鳥が巣を壊すことを防ぐ”だそうです。隠れ帯はクモの種類によってその機能が異なり、また、複数の機能をもつとも考えられています。隠れ帯という名称は、"クモの姿を隠すはたらきがある"と考えられて名づけられたのですが、今は、専門用語としては白帯(はくたい)が使われています。
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