先日、ほしだ園地でネイチャーガイドのお手伝いをさせて頂いた時に、ぼうけんの路の登り口手前で、高速で羽ばたき、上下左右前後にすばしっこく移動しながら、花の蜜を吸う生き物を見つけました(写真1)。ハチドリ? いいえ、日本にはハチドリはいません。スズメガの仲間で、昼間に活動するホシホウジャク(星蜂雀)です。”蜂雀”って、ハチドリみたいな名前ですね。 ホシホウジャクは、ハチのように刺したり、ドクガのように毒を持ってたりしません、その代わりに、飛んでいる時は、太い胴体の側面と下羽(下翅)の部分の黄と黒の縞模様でハチに見せかけ、また、木の葉に止まっている時は、羽が黄と黒を隠して、枯葉のようにみせけて、外敵から身を守っています。
写真2 ホシホウジャク のホバリング 写真3 巻いた口吻
ホシホウジャクの仕草を文章で説明するのはむずかしいので、蜜を吸っているところのアニメーションを載せることにします(写真2:これは、ほしだ園地ではなく、くろんど園地から私市駅への帰り道で撮ったものです)。静止飛行(ホバリング)しながら、長い口(口吻)を器用に動かして、花にとまることなく蜜を吸っています。これを花から花へと移動して行います。移動するときは、口を蝶のように”くるくる”と巻いています(写真3)、カワイイですね。飛びながら花の蜜を吸うのは、風に揺れる花でもうまく蜜を吸えるようにするためという研究報告を見たことがありますが、高度な飛行技術をもってないとできないですよね。専門家によると、立ち泳ぎのように、羽を前後に動かして、空気の渦を作って安定した飛行を行っているのだそうです。
せっかくなので、同じ昼間に活動するスズメガの仲間で、緑・赤・黄の縞模様の胴体と透明の羽が美しい、オオスカシバを紹介しておきます(写真4)。ホシホウジャクより一回り大きく、羽を広げたときの幅が5~7cm(ホシホウジャクは4~5cm)で、羽化直後に羽ばたいた時に鱗粉を落として透明になります。その理由は、はっきりとわかっていないのですが、羽には小さな突起が連続していて反射を防止する構造になっています。これは透明でも捕食者の注意を引かないようにするためではないかと考えられています。それぞれに、進化してきた姿は興味深いですね。
ホシホウジャクやオオスカシバは、キバナコスモス、アベリア、サルビアといった、口の形状にあった花でよく吸蜜します。幸いなことに、これらの花は街中の公園や花壇でよく見られますので、街中でも、観察することができます。もっとも、動きがすばしっこいので、動画や写真を撮ってから、ゆっくり見てみるのもいいかもしれません。観察の際は、スズメバチなどを見間違えて、うかつに近づかないように、くれぐれもご注意下さい。
(2017/10/3 ます)
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