くろんど園地を散策していると2cmくらいの小さな黄色いチョウが飛んでいるのをよく見かけます。皆さんもどこかで見かけたことがあると思いますが、キチョウ(写真1)です。今回はよく見かけるけど知名度が低い、このキチョウを紹介します。
チョウ目シロチョウ科のチョウで、名前の通り黄色の翅(はね)で裏には褐色の斑点があります。分類的にはミナミキチョウとキタキチョウに分けられるようですが、外見で識別することは困難です。くろんど園地にいるのは両種の生息分布から考えて、キタキチョウと思われます。本コラムではキチョウという名前で記載させていただきます。
キチョウの前翅の表側には黒い縁がありますが、季節によりこの黒い縁の幅が変わることをご存じでしょうか。夏型は黒縁の幅が広く(写真2)、秋型(春のキチョウは秋型が越冬したもの)は狭くなり、ほとんど消えている個体も存在します(写真1)。ただ、キチョウは翅を閉じて止まっていることが多いため、黒い縁は透けて見えるだけで確認するのが困難ですネ。
また、オスの翅は濃黄色でメスは淡黄色なので、慣れてくると色の濃淡でオス/メスを区別することができます。皆さんもよく観察してオスとメスとが区別できるようになってみてください。
幼虫はハギ類、ネムノキなどを食草とするようです。私は幼虫をまだ見たことがないので、参考のURLを示しておきます。見た目はモンシロチョウの幼虫(青虫)と同じですね。
キチョウは東北以南の全国に分布*し、都市の公園などでも見ることができます。成虫で冬を越すために暖かい日になると早春から飛んでいる姿を見ることができます。成虫は年に4-5回発生しますので、くろんど園地でも4月頃から10月頃までと長い間見ることができます。
飛んでいると褐色の斑点や黒い縁はわからないと思いますが、くろんど園地で黄色い蝶が飛んでいたら、まちがいなくキチョウと思います。皆さんも園地内で見つけて、オスかメスかを見分けてみてください。区別できるようになると、ゲームみたいで、いつもの散策がより楽しくなりますね。また、キチョウたちがいつまでも生存できるように、くろんど園地の自然環境をみんなで守っていきましょう。
参考URL:キタキチョウ(キチョウ) (imokatsu.com)
*アフリカ中部以南、インドから東南アジア、そしてオーストラリアと世界的にも広く分布しているそうです。海外旅行に行かれたら見つけてみてください。
【おまけ】
ショウリョウバッタのコラムにおいて、写真4に写っているショウリョウバッタの位置の答え合わせをします。
ショウリョウバッタは写真中央にいます。
皆さんはわかったかな。
(2024/9/8 大西)
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