ハイキングのときや山の中で出会いたくない昆虫といえば、スズメバチですよね。攻撃的で人に近寄ってくるので始末が悪いです。今回はこのスズメバチ(特にオオスズメバチ)について紹介します。
オオスズメバチ(写真1)はハチ目スズメバチ科のハチで、大きさは約3cmの、日本一大きなハチです。黄色い頭、大きなキバ、黒い胸に黄色と黒の縞模様のおなか、まさに警告色をした強暴なハンターです。ブンブンという羽音だけでも近づいて来るのがわかります。くろんど園地でも樹液の出ている木などでよく見かけます。
オオスズメバチは樹液に集まる昆虫の中でも最強で、ノコギリクワガタも追い払われてしまいます(写真2)。私は2度スズメバチに刺されたことがありますが、刺されたときは痛いというよりも熱いという感覚で、なんとか赤く腫れただけで済みました。刺されたときは黒いズボンをはいていたので、黒くて動くものに攻撃するという話は本当だと考えています。私のスズメバチに対する対処方法は動かないことです。スズメバチの目(昆虫の目)は複眼のため広い範囲を見ることができ、動く物には敏感ですが、形を認識するのが苦手なようです。つまり動かないものは発見されにくい(見えていない)ということです。近くに寄ってきても相手(ハチ)があきらめて飛び去るまで動かないようにしてからは刺されたことはありません。
ただし、匂いがあると感づかれてしまうので、香水など強い匂いのあるものには注意が必用です。あくまでスズメバチが一匹のときの経験なので巣の近くや多くのスズメバチが飛んでいるような場所には近づかないのが賢明です。
オオスズメバチは、くろんど園地では8月頃からよく見かけるようになります。女王バチの巣作りが終わり、働きバチが成長し、数が増えたためと思います。晩秋まで巣は拡大を続け、オオスズメバチも攻撃的になるので、特に秋のハイキングは気をつけてください。ただ、オオスズメバチは土中にも巣を作るので、巣の場所がわかりにくいのですが、
オオスズメバチが群がっていたら要注意です(写真3)。
一方でスズメバチがいなくなるとどうなるでしょうか。生態系が崩れ(天敵がいなくなるので)、他の虫(害虫など)の異常発生につながります。自然はバランスが大事ということですね。スズメバチも地球の同じ仲間です。気を付けながら仲良くやっていきましょう。ところで、私にとって、くろんど園地でもっとも出会いたくないのはスズメバチよりもウシアブの方です。私はウシアブにも刺された(*1)ことがありますが、ウシアブについてはまた別の機会に報告したいと思います。乞うご期待。
*1:ハチははお尻の針(産卵管が変化したもので刺すのはメスだけです)で刺しますが、アブは口なので吸われたというのが正確ですね(笑)
(2024/7/5 大西)
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