子供の大好きな昆虫というと、そう、カブトムシ、クワガタムシですよね。大きな角や大顎(おおあご)がかっこいいですよね。私も大好きです。くろんど園地では残念ながらカブトムシは滅多に見つけることができないので、今回はくろんど園地でよく見つけることができるノコギリクワガタについて紹介します。
ノコギリクワガタは、コウチュウ目クワガタムシ科の昆虫で、名前の由来は、オスの大顎の内側にノコギリの歯のように突起(内歯)が並んでいるところからきています(写真1)。成虫はクヌギやコナラといった広葉樹の樹液に集まってきます。体の大きさ(幼虫のときのエサの状態)で大顎の形が変わっているのをご存じでしょうか。大型個体では屈曲したりっぱな大顎を持っています(写真2)が、小型(幼虫のときに栄養を十分確保できなたかった個体)になるほど大顎が直線的(写真3)になっていきます。
写真2 横から見たノコギリクワガタ
写真3 小型のノコギリクワガタ
樹液の出るところはエサ場だけではなく、クワガタムシの恋の場所でもあります。オスとメスのペアで見つけることがよくありますが、たいていはオスがメスの上に覆いかぶさるような態勢でいます(メイトガード行動と呼ばれています)。守っているのか独り占めしているのかはわかりませんが、アリ(*1)が群がってきてもオスは大変です。(写真4)
ところで、私の経験上、メスは木の上だけではなく、地面を歩いているところにもよく出くわします。卵を産むためなのか、羽化したばかりなのかはよくわかりませんが、何をしているのか今後も調べてみたいと思います。幼虫は朽木を食べて成長しますが、ノコギリクワガタの幼虫期間は2~3年と長めです。朽木という栄養価の少ない食べ物の影響と思います。またノコギリクワガタの幼虫はいったん朽木から出て、土の中でさなぎになるそうです。そのためノコギリクワガタの幼虫は木の根の近くや倒木の下(裏側)といった地面に近いところに多いようです。
ノコギリクワガタは全国に分布し、比較的数が多いクワガタムシです。クワガタムシがこれからも闊歩(かっぽ)できる里山(くろんど園地)を維持していきたいと思います。くろんど園地では7、8月頃見られます。山の中ですので暑さ対策、熱中症対策をして見るようにしてください。数は少ないですが、運がよければミヤマクワガタにも会えるかもしれません。見分け方は頭の形が異なるので間違うことはありません。私が子供の頃はコクワガタをよく見ましたが、なぜかくろんど園地では見ないので一度調査したいと思います。
*1:ムネアカオオアリという樹木性のアリ。アリについても別の機会に紹介
したいと思います。
(2024/6/8 大西)
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