12月に山歩きをすると、咲いている花も少なく、山の景色が、夏、秋とは変わったように思います。
樹木、特に落葉樹は、夏が終わり秋になると、冬支度をするように、葉の色が緑から、紅葉、黄葉になり、やがて落葉します。そして、冬をむかえると、活動していないように、冬眠したように見えます。
ただ、冬にゆっくり歩いていると、落葉樹の冬芽を多く見ることができます。勿論、常緑樹の冬芽もあるのですが、落葉樹は、葉が落ちて枝だけの状態に冬芽があるので、寒い中、春が来るのを待ちながら、頑張っているねという気持ちがより強くなります。
冬芽は、寒さや乾燥といった冬の厳しさから新芽を守るためのもので、鱗のようなもの(芽鱗:がりん)で守られていたり、フサフサの毛で覆われていたりと、様々な個性が見られ、樹木の種類によって多様です。そして、春になり、光が冬芽の皮を通り、折りたたまれた葉が光を感じて、芽吹きをみます。
冬芽を見て、その木の名前を特定するのは、幹、樹皮が見られるとしても、正直難しいです。フルシーズンを通じての、植物観察が大事なことが、痛感されます。
冬芽の個性的な様子を見ているだけでも楽しいので、一度、冬場の観察も、ぜひお試しください。
参考文献
「樹木たちの知られざる生活」森林管理官が聴いた森の声
著者 ぺータ・ヴォールレーベン (株)早川書房
(MS 2024/1/13)
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