- カマキリとハリガネムシ -
くろんど園地の水辺を歩いてたら
何かが小さな川に入っていった。
あっカマキリだ!
しばらくもがいてたけど
流されてしまった(写真1,2,3)。
陸でくらすカマキリは
寄生したハリガネムシにあやつられて
川に入ったみたいだ(写真4)。
ハリガネムシは水中のカマキリからぬけ出し、オスとメスが出会って産卵する。幼虫が水性昆虫の幼虫に食べられると*1、水性昆虫の中で休眠する。
やがて水性昆虫が成虫になり川から陸に飛び出して、たまたまカマキリに食べられると、ハリガネムシの幼虫はカマキリの中で成虫に育ち*2、カマキリをあやつって、川に入らせる*3。川に入ったカマキリはおぼれて、魚の食料になってしまう*4(図1)。
ハリガネムシが水性昆虫をへてカマキリに寄生する不思議
カマキリがあやつられる不思議*3
陸のいきものと水辺のいきもの不思議なつながり*4
川に入るカマキリには、不思議がいっぱい。
(ます 2023/11/12)
【より深く知りたい方へ】 *3と*4は少しむずかしい話です。
*1 ハリガネムシの幼虫を食べる水性昆虫
カゲロウやトビケラ、ユスリカの幼虫などがハリガネムシの幼虫を食べます。
*2 ハリガネムシが寄生する昆虫
カマキリの他には、カマドウマやバッタ、キリギリスなどに寄生します。カマキリの中ではハラビロカマキリに多く寄生します。今回、川に入ったカマキリもハラビロカマキリでした。
*3 ハリガネムシがカマキリをあやつる方法 【参考文献[1]】
ハリガネムシは、進化の過程で、カマキリが水面の光に反応して川や池へ向かわせるような遺伝子をカマキリから獲得し、その遺伝子を活発化させて、カマキリを川に入らせるようあやつっていると考えられています。
*4 寄生されて川に入った昆虫が水辺のいきものに与える影響【参考文献[2]】
研究によると、カマドウマが水に飛び込む3ヶ月ほどの間、魚が食物から得る総エネルギー量の9割以上がカマドウマだった。カマドウマが川に飛び込むのを抑制すると、魚は水生昆虫をたくさん食べるようになり、藻類を食べる水生昆虫が減少したことにより、水中の藻類が増え、落葉の分解速度も遅くなる傾向があった。カマドウマへのハリガネムシの寄生が川の生態系に大きな影響を与えている。
【参考文献】
[1] 三品 達平(理化学研究所 ),佐藤 拓哉(京都大学 )他,カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来,2023年10月20日
https://www.riken.jp/press/2023/20231020_1/index.html
[2] BIOME, カマドウマの寄生虫、ハリガネムシが作る川の生態系, 2019年10月31日
https://biome.co.jp/biome_blog_090/#i-2
11/19 森林整備部の活動短信を更新 New!
11/11 森林整備部の活動短信を更新 New!
11/8 自然の不思議コーナーを更新 New!
11/7 自然の不思議コーナーを更新
11/5 養成講座短信を更新 New!
10/30 森林整備部の活動短信を更新
10/28 北部チームの活動更新(ほしだ60名山ハイキング本番)
10/25 養成講座短信を更新
10/23 森林整備部の活動短信を更新
10/20 北部チームの活動更新(ほしだ60名山ハイキング下見)
10/17 森林整備部の活動短信を更新
10/17 シニア自然カレッジガイド
くろんど園地
ほしだ園地
むろいけ園地
中部園地