7月の中旬に、むろいけ園地でハンゲショウ(半夏生)を見ました。
ハンゲショウは、ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草です。関西では、京都建仁寺両足院の特別公開で耳にします。湿地帯等の減少により、絶滅危惧種に指定されている地域がありますが、大阪府では準絶滅危惧種に指定されており、見られるところは限定されているのかもしれません。
花の周囲の葉が白いのが特徴ですが、今回は、白い葉について書きます。
白い葉になる理由は、諸説あるようですが、花の近くの葉を白くして受粉を担う虫を呼ぶためという説があります。また、花の咲く時期には葉緑体がまだ発達していないという説もあります。すこし、調べてみました。
白色に見えること、白色が虫を呼ぶ話は、自然の不思議のNo.70に詳しいので、ご確認ください
植物は、光合成により光エネルギーを変換して、生体を維持しているのですが、葉にある葉緑体がこの役割を分担しています。
さらに、葉が緑色に見える理由として、以下の説明があります。
「光を吸収するのは葉緑体の中にあるクロロフィルですが、青色光や赤色光はこの色素分子に非常に吸収されやすいため、ほとんどが表側の柵状組織の葉緑体に吸収されてしまいます。
一方、緑色光は吸収されにくいため葉の中に潜り込めます。
潜り込んだ緑色光は屈折し、組織の中を行ったり来たりしながら葉緑体に何度も遭遇し、吸収されていきます。
葉の裏側にある海綿状組織は、不定形な細胞からなるのでこの効果が顕著です。しかし、行ったり来たりする過程で、吸収されずに葉から漏れ出る光もあり、それにも緑色光が多いので葉は緑色に見えるのです。」[1]
ここからは、想像ですが、白い葉は、葉緑体の未発達か気まぐれ(戦略かも?)で、吸収されなかった青色光と赤色光 と 吸収されにくい緑色光が、重なり合って白く見えるのではないかと思ったりします。葉緑体が正常になれば、緑色に戻るではとも思います。
生物は、時々、我々の想像を超えた事象をみせてくれます。
まさしく自然の不思議です。色々調べてみて、想像を膨らませるのも楽しみの一つかと思います。
[1] 葉はどうして緑色なの?→寺島一郎|素朴な疑問vs東大
(MS 2023/08/05)
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