縁あって、昆虫写真家の海野和男(うんのかずお)さんとお会いする機会があった。お話をした時間は短かったが、刺激的だった。
海野先生は、「虫たちの小さな世界を見続けることは地球全体の大きな環境を考えることにつながると思います」(『海野和男先生の昆虫教室』http://insect.ilabo.jp/index.html)と書いておられる。「自然の大切さを伝える」JPAの活動にも通じるものがあると思う。
便利な時代で、『海野和男のデジタル昆虫記』(http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/)では、一般的な昆虫図鑑では見られない昆虫たちの生き生きとした姿が、数多く紹介されている。検索機能もついているので、ご存じない方はチェックしてみてほしい。
さて、7月某日の必修研修「安全管理」(※1)の空き時間でのこと。
会場となったらくらくセンターハウス(※2)入口にツタが生い茂っているのをご存知だろうか。
「葉っぱの上に何かいる」と気づいていたはが、特に確かめようとは思わなかった。その後、某氏に「ちょっと来て」と呼ばれ、行ってみると私が無視した「葉っぱの上の何か」を指さしている。顔を近づけてみると黄色いハートが目に飛び込んできた。名前だけは聞いたことがあり、いつか実物に出会いたいと思っていた昆虫・エサキモンキツノカメムシだった(上記写真参照)。某氏曰く「これが自然の大切を伝える我々の目線」。説得力のある言葉だった。
『海野和男のデジタル昆虫記』で検索してみると、エサキモンキツノカメムシのアッと驚く生態が、鮮やかな写真で紹介されている。飛翔するところ、その時に見える翅の下の色、口の秘密、子育てなどなど。海野先生の愛ある目線と語り口に、エサキモンキツノカメムシへの愛しさが募ってくる。
府民の森(特に中部園地)に多いクマノミズキは、エサキモンキツノカメムシにとって卵時代からほぼ一生、切っても切れない関係らしい。クマノミズキの実が大きくなるこの季節、エサキモンキツノカメムシと出会う機会は多そうだ。クマノミズキを見つけたら、ぜひ顔を近づけてみよう!
※1 活動中に事故怪我が起こらないように全会員が毎年受講する。内容は主に包帯法、運搬法
※2 東大阪市にある府民の森中部園地、らくらく登山道のインフォメーションセンター。
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