このコラムでは、自然の中で見つけたものを紹介しています。
今回は、少し趣を変えてみます。
皆さんは、『自然欠乏症候群』という言葉を聞いたことがありますか? つい先日、理事長から聞いた言葉です。
「初めて聞くけれど、何となく意味が分かる」のではないでしょうか。自然が欠乏することによって起こる、体によくない色々な症状だろうな、と文字から想像してみました。その通りでした。子どもが自然にあまり触れず、家の中でゲームなどばかりして育つことで、集中力がなかったり、多動であったりという様々な行動面の問題を抱えてしまうというのです。
この言葉は比較的新しい言葉です。「あなたの子どもには自然が足りない」(リチャード・ルーブ著、早川書房)というノンフィクションが2005年にアメリカで発行されました。その本に出てきた言葉です。是非読んでみたいと思っています。
日本では、『自然欠乏症候群』についてC.W.ニコルさんが声を上げておられます。これも理事長から聞きました。
気になってネット検索して調べてみても、日本語ではほとんどヒットしませんでした。英語では数多くヒットしました。略語までできていました。英語圏ではそれだけ多くの人が、危機感を抱いていることが分かります。
驚くのは、カナダやスウェーデンなど、自然が豊かなイメージがあるところでも、『自然欠乏症候群』の対策がなされていること。子どもが自然に触れる機会を定期的に作っているそうです。
これだけ書くと、日本は遅れていると感じる方もいるでしょう。
確かにそうかもしれません。ただ、徐々に危機感や使命感は育ってきているとも感じます。「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」(国立青少年教育振興機構)では、自然体験をするほど、子どもが健全に育つことが報告されています。
「森のようちえん」、「小学校長期自然体験活動」、「体験の風をおこそう運動」など色々な活動を耳にしますし、会員の皆さんと話をしていても出てきます。NPO法人日本パークレンジャー協会で「子どもの健全育成」は活動の一つです。
最後に、今回『自然欠乏症候群』を調べている中で印象に残った表現を紹介します。
“The child-nature reunion”(子どもと自然の再会) 再会の瞬間に、驚きと喜びを!
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