1. ミズバショウ(春)
くろんど園地のミズバショウハは、3月の下旬から4月の上旬に見ごろとなます。ミズバショウの花は白いと言うイメージがありますが、花びらのような白いモノは葉が変形したもので、本当の花は中心の淡緑色の棒状の穂にたくさんの小花がつきます。花が終わると大きく葉を伸ばし、葉は1m近くにもなりますが、名前の由来は葉が大きく芭蕉(ばしょう)に似ているので、水の中に生える芭蕉と言うことで「ミズバショウ」と呼ばれるようになりました。
2. ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマは春一番に咲く野草の一つです。花は葉の中心から上に伸びてピンク色になり、花が終わっても茎は40~50cmにも伸び、果実をつけて熟すと糸くずのような種子を飛ばすとのこと。ショウジョウとは、猩猩と書き伝説上の赤い顔をした猿のことだと言われており、また葉が重なっているのを袴(はかま)に例えて「ショウジョウバカマ」の名がついたとされています。
3. モウセンゴケ
モウセンゴケは食虫植物として知られていますが、コケの仲間ではなく、花の咲く植物です。茎は短く、葉は地面から放射状に出て長い毛があります。葉の先からは甘い香りの粘液を出して虫を引きよせ粘毛と葉がそれを包むようにして虫をつかまえて消化吸収します。
名前の由来は、粘毛が赤く色づき一面に生えると毛氈(もうせん)を
敷いたように見えることから毛氈苔(モウセン ゴケ)の名がつきました。
4. カンサイタンポポ
タンポポの黄色い花には春を感じますが、西日本では白いタンポポもあります。日本のタンポポの寿命は7年位あり、根は長いもので1メートルにもなるそうです。じっと冬の寒さに耐え春を待つタンポポのたくましさを感じます。
セイヨウタンポポは明治初期に食用として日本に入ってきましたが、江戸初期の狂歌に「此のほどは うち絶えけるに たんぽぽを たまはりて食う 舌鼓かな」 と歌われており、日本人は古くからタンポポを食べていたようです。
6. ヤマトミクリ
ヤマトミクリ(大和実栗)は水辺に生える植物で、写真のように夏に可愛いクリの様な実がつきます。関東より東には少なく、大和(やまと)地方(奈良県)に多いことからこの名がつけられたそうです。すいれん池の湿地に生えるヤマトミクリですが、近年土砂が池に流れ込んで埋められてその本数が減って来ています。
6. ギンリョウソウ
ギンリョウソウは白い色で植物のようには見えませんが、れっきとした植物で花も咲きます。
ギンリョウソウは自分では葉緑体を持っていないので光合成はせず、植物や動物の遺体に繁殖する菌類と共生関係を持ち、栄養分を他人からもらって生きています。その姿は何となく後ろめたいように見えます。
オカトラノオは初夏にササや草の丈が延びかけたころ、林縁で咲いているのを見かける。
小花のたくさん付いた花の形がトラの尻尾に似ているというのでこの名がついたと言われている。
オカトラノオよりも少し遅れてヌマトラノオが湿地に咲くが、こちらは花が垂れずに直立している。
くろんど園地のカタクリ
カタクリはスプリングエフェメラル(春の妖精)と呼ばれます。早春3月に芽を出し4月に花を咲かせ5月には実を結びあとは休眠します。
種子にはエライオソームと呼ばれる栄養物が付いていてアリが種を巣に運びます。そして不要になった種は巣の外に捨てられ翌年カタクリは芽生えます。カタクリはアリに餌を提供して遠くに運んでもらい子孫の分布を広げて行くというわけです。
ウバユリはユリの仲間ですが、可哀そうな名前です。花はユリなのに余り大きく開きません。
ウバユリは春に大きな艶のある葉を出し7月の末ころ花を咲かせます。
種から芽生えて花が咲くまで7年くらいかかると言われ希少な野草ですが、ウバユリの根はイノシシの好物でよく食べられてしまいます。
キランソウは春一番に花を咲かせる野草の一つです。地面にはいつくばっていますが、その花は綺麗な紫色です。
別名ジゴクノカマノフタとも呼ばれ、キランソウは薬草で何にでも効き、死ぬ人がないので「地獄に蓋をしてしまう」ようだということでこう呼ばれたようです。
ゲンノショウコは日本の三大生薬の一つで、「現に効く証拠」があると言うことでつけられた名前です。
夏を過ぎで秋口には花が咲きますが、赤い花を咲かせるものと白い花を咲かせるものがあります。
三大生薬とは、ゲンノショウコ、ドクダミ、センブリを言います。
ドクダミは日本三大民間生薬の一つで、毒をためるというのでドクダミの名が付きました。また何にでも効くのて十薬とも呼ばれます。
6月ころには白い花をつけますが、葉は千切ったり、揉むと強いにおいがします。乾燥させると全くにおいはしなくなるのでドクダミ茶として使われます。