府民の森パークレンジャーは1993年(平成5年)に発足し、2022年(令和4年)6月に30周年を迎えました。以下はその誕生の経緯と今日までの歩みです。
府民の森は、大阪府の府政100周年の記念事業として建設され、昭和53年(1978年)に府民に開放されました。そして昭和64年(1989年)~平成2年(1990年)にかけてキャンプ場の拡充や休憩所の整備がなされました。当時、(財) 大阪府緑化・環境協会(後のみどり公社) が、キャンプイベントや大阪自然環境保全協会のグリーンレンジャーに依頼して色々な自然の催しを実施していました。
しかし、府民の森の利用者が年間100万人を超えるようになり、園地や施設の利用だけでなく、自然公園の存在の意味を様々な催しにして分かり易く伝える活動が求められるようになりました。
そこでみどり公社の中に、府民の森の自然と利用者をつなぐパイプ役として、色々な自然の催しを運営・指導するボランティアの「府民の森パークレンジャー」が作られることになりました。
当時の資料:パークレンジャー制度の概要、説明会資料
1994年(平成6年):
4月に、むろいけ園地に森の工作館がオープンし、森のクラフトカーニバルが実施されました。年間催しでは、パンを焼くイベントや水辺探検、4つのキャンプ、ハイキング、しめ縄つくり、バードウォッチングなどを実施しました。
キャンプイベントでは、毎週のように全員が集まって打ち合わせをし、下見をして本番に臨みました。
パークレンジャ―の会報誌「IPWS(Interpreter Workshop)が発行されるようになりました。IPWS vol.2(1994/12)
内容はイベントの実施報告や感想・自然への思い、仲間同士の情報交換、活動情報の提供など盛りだくさんでした。
1995年(平成7年):
らくらく登山道、らくらくセンター
ハウスがオープンしました。
催しが終了した後のふり返りでは、スキルアップのため容赦のない口論と熱い話し合いがありましたが、全員が良く勉強し、教えあい、仲間として結束を強めて行きました。
IPWS vol.5(1996/2/29)
1996年(平成8年):
むろいけ園地でレンジャーがガイドウォークをするようになりました。
インタープリテーション、インタープリター、ガイドウォークなど、当時は全部新しい言葉でした。
1997年(平成9年):
ほしだ園地に星のブランコ、クライミングウォールができました。
レンジャーがイベントアドバイス、ガイドウォーク、自主研修の3班を
作って横断的な活動をするように
なりました。森の工作館、らくらくセンターハウス、森のレストハウスを拠点に活動しました。
IPWS vol.9 (1997/3/25)
IPWS vol.11(1998/2/26)
2001年(平成13年):
ちはや星と自然のミュージアムができました。
むろいけ、くろんど、なるかわの3つの班ができました。
2002年(平成14年):
全レンジャーの班分けはありませんでしたが、むろいけ、くろんど、なるかわで活動しました。IPWS vol.22(2002/10/21)
2003年(平成15年):
北部、むろいけ、中部、ちはやの4つの園地班を作り、催しの企画から実施まで、班ごとに自主的に活動するようになりました。
国の助成金で「生きものふれあい隊」ができ、おおさか府民森牧場で活動しました。
IPWS vol.25(2003/9/2)
2004~2005年(H16~17年):
パークレンジャー募集で入門講座を実施するようになりました。背景は、応募者に自然を知ってもらい、パークレンジャーの活動体験をして入ってもらい易くするのが狙いでした。
IPWS vol.27(2004/3/18)
IPWS vol.31(2005/3/30)
IPWS vol.32(2005/9/22)
2007年(平成19年):
レンジャー自らが講師となってパークレンジャー育成のために養成研修を始めました。新規レンジャーは4月~11月まで8ヶ月の研修を受けてから園地の活動をするようになりました。講座は自然の基礎、安全管理、催しの実践などで、当時は講座講師などをした者はなく、研修チームを作って見よう見まねで講義をしました。
2009年(平成21年):
みどり公社より「府民の森パークレンジャー」を N PO にしないか との話がでてきました 。背景は、 大阪府の行政の見直しが行われ、みどり公社の府民の森管理 も対象となり、パークレンジャーの 運営も見直しが必要となりました 。IPWS vol.37(2009/8/20)、 IPWS vol.38(2009/12/17)
2010年(平成22年):
府民の森パークレンジャーのNPO法人化の検討をすることになりました。
6月に全体集会を開き、府民の森パークレンジャーをNPOにすることを決め、7月には法人化に向けて20人の協力スタッフを募り設立委員会を立ち上げ、
設立の趣旨書、定款、運営組織体制、事業計画や予算案を作り、8月には総会を開いて同意を得て設立の運びとなりました。
活動の理念は「活動を通じて自然の大切さを伝えること」とし、団体名はレンジャー経験者が全国に広がっていくように「NPO法人日本パークレンジャー協会」としました。
2011年(平成23年):
2月にNPO法人日本パークレンジャー協会の認可を取得しました。協会(JPA:Japan park-ranger Association )のロゴは、自然に対する“気づき”がモチーフで、「人が自然とふれあい、自然を好きになって、その大切さに気づいて欲しい」と言う願いを表現しています。
大阪ガスの助成金事業を受託しました。
IPWS vol.40 最終号(2011/2/17)
2012年(平成24年):
HP委員会を作りHPの運用を開始しました。催しの募集申込もWebで出来るようにしました。
2013年(平成25年):
森林整備部が林野庁の森林・山村多面的機能発揮対策交付金の事業に応募して、くろんど園地で里山保全活動を始めました。この事業によってチェンソーや刈払機などの道具をそろえ、本格的に森林整備の活動ができるようになりました。
2014年~2015年(平成26~27年):
この頃くろんど園地のキャンプサイトが老朽化で使用されなくなりました。
2017年(平成29年):
事務所を阿倍野区松崎町(近本宏樹氏の事務所内)に移しました。
パークレンジャーが25周年を迎え記念行事を実施しました。
環境調査部ができ、くろんど園地のカタクリ、ミズバショウ、アカガエルなどの調査活動をはじめました。
2018年(平成30年):
環境調査部がちはや園地に監視カメラを設置し夜の動物観察を始めました。
AEDを常備しハイキングなどで携行するようにしました。
2019年(令和元年):
Green Giftプログラムを再受託しました。ちはやロープウェイが耐震強度不足で運休停止になりました。
夜の生きものたち
くろんど園地にも監視カメラを設置し夜の生きもの観察を始めました。
スキルアップ講座「自然解説ができるようになりたい」を始めました。
2020年(令和2年):
事務所を中央区のCanvas谷町に移転しました。
年明けより新型コロナウィルスの蔓延で総会はWebで実施。
催し活動は上期実施できず、下期も3か月停止となりました。
パークレンジャー養成講座は6月から実施となりました。
2021年(令和3年):
総会はWebで実施。新型コロナ緊急事態のため園地活動は4~9月まで
できませんでした。
パークレンジャー養成講座は4~9月までWebで実施しました。
里山保全活動として、ナラ枯れによる植樹や下草刈りなど、くろんどの森創りにも協力しています。
2021年の活動
2022年(令和4年):
府民の森パークレンジャーが誕生から30周年を迎えました。活動は、自然の催し、里山の保全、自然体験リーダーの育成、環境教育・野外活動支援、
環境調査などに加えて、Webによる講座や夜の生きもの紹介イベントや
府民の森の季節の草花紹介冊子作りなど幅広く活動しています。
(記:NPO法人日本パークレンジャー協会 事務局 2022年4月吉日)
2023/1/22(令和5年):
府民の森パークレンジャー30周年記念の行事として、くろんど園地キャンプ場でレンジャー懇親会を実施しました。